| 雨の中、僕は川を眺める。
小さな、小さな川。大方の人はそれを用水路と呼ぶのかもしれない。
でも、僕には、疑いようもないくらいの、川。
そこにあるのは、純粋な流れ。
他には何も、ない。
理屈も、感情も、何もない。
僕は、それを眺めている。
降り続く雨が、川に流れ込んでいく。
僕はソレを、一粒も見逃すまいと、目を凝らす。
真夜中に。深夜1時に。一人で。
雨は絶えず、流れは絶えない。
それらを見ていると、僕の体中は──フライパンの上に置いたバターのように、
溶けていってしまいそうになる。
でも、僕は絶対に溶けない。
僕には、やり残した事がある、少しだけ。
やりかけのことも、少しだけある。
それをしなければ、僕はダメになってしまう。
だから、僕は溶けそうになってしまう自分に歯止めをかける。
そして、自分を現実に引き戻す。傘を捨てる。
雨に包まれながら、僕は思う。
いつか、自分が川の流れに身を任せられるようになるまで、
それまでは頑張ろうって。
それまでは、辛いことも、哀しいことも、耐え抜こうって。
やがて雨は止み、朝日は昇る──。 |